ラッキョウの栽培は簡単で家庭菜園でぜひ育てていただきたい家庭野菜の一つです。1年から2年間と栽培期間は長いのですが、実際手間いらずでほとんど放任しておいてもある程度満足いく収穫ができる野菜で、肥料もそんなに必要なく、やせた土地でもすくすく育ちます。
ラッキョウの育て方【らっきょの栽培は北側の半日陰で量産も可能です】
収穫したラッキョウはラッキョウ酢でつけておくと長持ちしてくれます。(私の場合はおいしいのですぐに食べてしましますが)さらに、家の北側の半日陰で、半日陰で栽培できる野菜のほうれん草でも栽培できない場所でも栽培できるので家庭野菜として非常に重宝すること間違いなしです。。。。
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ラッキョウの育て方【家庭菜園の予備知識編】
ラッキョウ栽培の基本情報
野菜の種類 | 科目 | 適正土壌酸度 | 株間 | 連作障害 | 栽培難易度 |
ラッキョウ | ヒガンバナ科 | ㏗5.5~㏗6.0 | 株間10㎝~15㎝ | なし | ★☆☆☆☆ |
ラッキョウ栽培の概要
日照条件 | 日なた(半日陰でも育つ) |
生育の適正気温 | 18℃~22℃ |
発芽温度 | 一般的に種球から育てる |
水やり | 乾燥に強い野菜で、極端に乾燥しているとき以外必要ない |
肥料 | 基本的に必要はない |
種まき時期 | 種球から育てる |
植え付け適期 | 8月下旬~9月中旬ごろ |
収穫時期 | 6月ごろ |
定植から収穫までの期間 | 210日前後 |
開花から収穫までの期間 | 10月から11月頃開花するので摘み取ってください |
ラッキョウの育て方【植物の概要】
名称 別名など | ラッキョウ 辣韭 オオニラ サトニラ |
科目属名 | ヒガンバナ科ネギ属 |
原産地 | 中国 ヒマラヤ地方 |
分類 | 球根性 多年草 |
樹高 | 20㎝~40㎝くらい(地上部) |
その他特徴など | 肥大した球根部を収穫する |
ラッキョウの育て方【家庭菜園の実践編】
ラッキョウの栽培カレンダー
ラッキョウの土と畑作り
苦土石灰や消石灰は必要?
土壌適正酸度は㏗値5.5~6.0と弱酸性の土壌を好みます。
石灰は必要です。
家庭菜園のマメ知識 石灰と化成肥料について
消石灰や苦土石灰は植え付けの2週間前までに施肥してください。石灰の中和と同時に化学肥料をまいてしまうと土の中で化学反応を起こして作物の成長に影響を与える可能性があるので、早いうちにまいておきましょう。
堆肥と元肥を与えて土を耕しておきましょう
定植の7日くらい前までに土に堆肥として牛糞や鶏糞、豚糞などを与えてよく耕して、化成肥料を使う場合は元肥として10-10-10や14-14-14などの化成肥料を一株に対して1握り程度まぶしておきましょう。
元肥とは定植前に施す肥料のことで、同じ肥料でも堆肥とは土に栄養を与えてふかふかな土を作るのに適した肥料のことを指します。牛糞堆肥は土をふかふかにしてくれる堆肥としての特徴が強く、鶏糞は堆肥としての力はあまりありませんが、肥料分を多く含んでいます。豚糞堆肥はある意味万能で堆肥としても元肥としても大変有効な肥料です。
畑で栽培する場合は畝を作って水はけを良くしておきましょう
堆肥を入れてよく耕したら幅60cm~70cm高さ10cmほどの畝を作ります。畝を作ると水はけがよくなります。
畝ができたらマルチを敷いておきましょう
家庭菜園の豆知識 マルチの効果について
畑で栽培する場合黒色のマルチを敷いておくと地の温度を上げてくれるので定植後の成長が促進されます。また黒マルチは光を通さないので雑草の繁殖を防いでくれます。値段は少し上がりますが色がシルバーのマルチもあり、こちらはアブラムシなどの光るものを避けて行動する一部の害虫の接近を予防する効果があります。
土の跳ね返りによる病気の侵入を防いでくれるのでマルチは有効で、さらに放置しておくとすぐに雑草が生えて手に負えなくなるので黒マルチは必須です。
ラッキョウの場合栽培期間が長いのでマルチをしておくと雑草の繁殖を抑えることが出来るので便利です。土寄せの時には植穴のマルチを少し広げて対応してください。
ラッキョウの植え付け
ラッキョウは植え付けの深さによって収穫できるラッキョウの形が変わります。
丸いラッキョウと細長いラッキョウ
浅植えすると丸いラッキョウができ、また反対に5㎝くらい土をかぶせて深植で栽培すると細長いラッキョウが収穫できます。
種球の定植
ラッキョウの栽培には通常、園芸店で購入した種球の植え付けから始まります。
植穴をあける
ラッキョウを植え付ける際は通常、深さ8cm~10cmくらいの穴をあけて、土が3cm~5cmくらいかかるくらいに植えつけます。
☆深さは10㎝くらいです。
支柱などを使って穴をあけると簡単です。
支柱などの丸い棒状のもの10mのところにしるしをつけて、棒をマルチの上から土中に垂直に突き刺して穴をあけて、そこに1球づつ球根を植えていきます。
私の場合は折れた支柱にナイロンのひもを縛って印をつけて穴をあけています。
ラッキョウの株間
ラッキョウの株間は10㎝から15㎝程度です。
家庭菜園の予備知識 一般的な株間について
株間は野菜を植え付けるときになやむ要素の一つです。株間は野菜の特性によってさまざまで、だいたいはその野菜の成長の仕方や草丈、横にどれだけ広がるかによって変わってきます。
植物の根張りの広がり具合は、地上での広がりがそのまま地下でも展開されていると考えてよいとされています。要するに地上で横に広がっている枝の先端と同じあたりまで根が張っているとゆうことだそうです。
ラッキョウの土寄せと追肥
ラッキョウの球根部分が肥大して土から出てくると青くなり、かたくなります。白くて柔らかいラッキョウを収穫するためには土寄せしてラッキョウが畑の表面に出てこないようにしなければなりません。
追肥に関しては通常は必要ありませんが、葉の様子を見て色が薄かったり勢いがない場合は追肥してください。
追肥する場合は1年に2回行います。
土寄せのタイミング
追肥の時に土寄せすると良いでしょう。追肥の後に土地寄して、肥料と土をなじませる作業と土寄せの作業を一度にできるので一石二鳥です。
1回目の土寄せと追肥
一回目の追肥は、10月から11月頃行います。
一回の追肥量は、化成肥料などを株もとにパラパラ蒔いて同時に土寄せして土になじませておきます。
2回目の土寄せと追肥
2回目の追肥は2月頃に行います。葉の様子を見て色が悪かったり勢いがないときに株もとに軽く追肥して土寄せしておきましょう。
ラッキョウの水やり
ラッキョウは乾燥に強く、湿った環境を嫌う野菜です。極端に乾燥しあ時以外は水やりする必要はありません。
暑さ寒さにも強い野菜で、真冬に積雪があっても大丈夫です。トンネルなどの心配はいりません。
ラッキョウの収穫
ラッキョウは収穫時期の判断が難しい野菜です。土の中でラッキョウがどんな状態になっているかは、掘り返してみないとわかりません。
収穫時期と収穫適期のサイン
球根が土中にあるので、収穫時期の判断がむずかしい野菜です。地上部が枯れて倒れてきたらそろそろ収穫のサインです。
収穫時期が近ずくとテストで一つ抜いてみるのも手ですが、もったいないので、あらかじめ植え付けた日から逆算した収穫日の目安を決めておくと比較的無駄なく収穫できます。
収穫の方法
小型のスコップなどで、球根を傷つけないように注意しながら軽く掘り起こして、土中から抜き取ります。スコップは、株元から離して掘り起こさないと、容易にラッキョウを痛めてしまうので注意が必要です。
ラッキョウ栽培で一番大変などは収穫かもしれません。慎重に行ってください。収穫したラッキョウは、少し面倒な作業ですが、軽く水洗いして土を落としてから包丁で根を切り取っておきましょう。
ラッキョウ栽培で、一番手間がかかるのが収穫作業かもしれません。一つ一つのラッキョウが小さくて、たくさんあって、さらにその一つ一つにたくさんの根が付いています。
収穫の時に、その一つ一つから根を切り取らなくてはならず、たくさんの収穫があるときは大変な作業です。
1年目のラッキョウと2年目のラッキョウ
ラッキョウは多年性の野菜で、毎年球根が分球して増えていきます。
1年目の収穫
一つの種球をを8月から9月に植えつけると、翌年の6月には1年目のラッキョウとして収穫できます。1年目のラッキョウは7個から10個程度に分球し、1っ個当たりの大きさは5gから10g程度の大型に成長します。
2年目の収穫
1年目に収穫せずに、次の年の6月まで栽培を続けると1つの種球が30個から多いときは50個に分球します。大きさは1年目より小ぶりで2gから4g程度となります。
3年目以降の収穫
3年目以降になるとラッキョウが小さくなりすぎるので2年で収穫することをお勧めします。
エシャレットの収穫について
今日はラッキョウの育て方ですが、通常6月頃に収穫するラッキョウを早やどりするとエシャレットが収穫できます。エシャレットについてはこのページでは触れていませんがご興味のあり方はエシャレットの育て方のリンクを張っておきますのでそちらも併せてごらんください。(内容はラッキョウと重なる部分が多いです)
エシャレットの育て方【ラッキョウとエシャレットの違いから始めます】
ラッキョウの主な害虫
アブラムシ
アブラムシは春から夏の終わりごろまでに飛来して繁殖する害虫で、ほとんどの野菜に被害を与える害虫の代表的存在です。小さな個体が群集している様子がものすごく気持ち悪いと感じる方が多いと思います。
アブラムシの駆除方法
アブラムシにもたくさんの種類がいて葉や茎からエキスを吸引し、ウイルス性の病気を媒介するので駆除が必要です。
テントウムシの成虫はアブラムシを食べる益虫ですが、テントウムシがいることはアブラムシもいるということになるので注意してください。
無農薬で栽培する場合はガムテープで除去したり、牛乳を散布して窒息死させたり、木炭や竹炭を作る際に発生する煙の成分を冷却して得られた水溶液である木竹酢を散布したり、黄色い粘着力のある札を作物にぶら下げたり、銀色のマルチや光テープで囲ったり対処の方法はたくさんあります。
手に負えなくなって薬剤の散布を考える場合、アーリーセーフが有効です。
ラッキョウにはアーリーセーフ、ベニカマイルドスプレーがそれぞれ対応しています。どうしても被害がひどく、薬品を使う場合は適量散布してください。
アブラムシ駆除のお方法は別の記事に詳しく記載したいと思いますのでそちらの記事を参照してください。
ヨトウムシ
アブラナ科の野菜が好物のヨトウムシですが、アブラナ科だけでなく多くの野菜を食い荒らします。
蛾の幼虫ですが昼間は株もとや土中に潜み、夜になると地上に現れます。だいたいは茶系の芋虫で中型から大型です。3㎝くらいから6㎝くらいのところでしょうか。
上の写真はさなぎです。見つけたら捕殺しておくと良いでしょう。
ヨトウムシの駆除方法
昼間は土中にいることが多いので駆除するのが難しく、また姿が見えないので出没していることすら気づかないことすらあるくらいです。見つけ次第捕殺することがおすすめです。虫の姿がないのに葉が虫食まれている状態を見たら土中にヨトウムシが潜んでいることをまず疑ってください。
ハダニ
ハダニはコナジラミやアブラムシと同様に葉の裏などに寄生して樹液を吸引する害虫です。梅雨明けから夏場に多く繁殖して被害を与えます。非常に小さく単体では見つけにくいのですが、数が増えてくると白くカスリ状に見えるので、この時点で被害に気付くことが多いので予防しておくことが大切です。
ハダニの除去方法
ハダニ予防にはアーリーセーフが有効です。
アザミウマ
アザミウマはアブラムシと同様に樹液を吸引する害虫です。夏場の乾燥時期に多く発生し植物に害を与える吸汁性害虫です。
ラッキョウの主な病気
いくつかの病気や生理障害ありますがここではかかりやすい代表的なものを記載することにします。いずれの病気もかかってしまってからの対応よりも常に予防しておくことが大切です。
予防としては、植え付け前に石灰や有機たい肥を多用して、健全なアルカリ性の土を作ることと、株の風通しを良くして害虫の除去をしっかりすることです。
①有機たい肥や石灰でしっかりした土作り
②剪定で風通しの良い環境を作る
③害虫を駆除してウイルスの媒介を予防する
④オーソサイドやダコニールなどの消毒剤やアーリーセーフやカリグリーンのような自然由来の有効成分を持つ薬剤を使用して予防する。
うどん粉病
うどん粉病はウリ科の野菜などに多く発生するウイルス性の病気で、葉に白い斑点が出て放置しておくと葉が真っ白にうどん粉をまとったようになっていき、いずれ枯死してしまう怖い病気です。ひどいときは隣接する他の植物にも感染して被害を広げる場合があるので早めの対策が必要です。ウリ科の植物だけでなく多くの植物に発生する怖い病気です。
うどん粉病の対策
うどん粉病が毎年発生するような場合は発生前からの予防が大切です。うどん粉病になる前に消毒薬を散布しておくことが大切です。
予防にはアーリーセーフやカリグリーン、ベニカマイルドスプレーが有効です。
灰色かび病
茎や葉が解けるように腐る病気で、進行が進むとやがて灰色のカビに覆われて枯死する病気です。高湿で風通しが悪い状態で発生し、病原菌はしおれた過花弁、害虫の食害の跡、チッソ過多により軟弱に育った組織から侵入することが多く、枯れた花をこまめに摘み取ったり殺菌剤を使う場合は、予防としてダコニールやオーソサイド水溶液などで消毒しておくのも有効です。
灰色かび病の対策
先ほども述べたように、風通しを良くして咲き終わった花弁はこまめに撤去することで環境は改善されます。発生した場合は枯れた部分は完全に取り除きましょう。予防にはSTダコニール1000かカリグリーンの散布が有効です。
ラッキョウのコンパニオンプランツ
ラッキョウと相性のいいコンパニオンプランツ
ラッキョウと相性がいい野菜は意外と多いのですがいづれもラッキョウに効果があるというよりも、ラッキョウが混植相手にとっていい効果をおもたらすものがほとんどです。
キュウリ
ラッキョウはきゅうりのつる割れ病を抑えるといわれています。
トマト
青枯れ病や立枯れ病を抑える。
ナス
同じく青枯れ病や立枯れ病を抑える。
ラッキョウの前作と後作に適している植物
ラッキョウは連作しょうがが出にくい野菜で連作も十分できます。収穫の時期的にもアブラナ科の冬野菜などの栽培に丁度良いのですが、ラッキョウはサラサラの乾いた土を好むので同じ畑で次に植える野菜を探すのは難しく、私は毎年ラッキョウはラッキョウの定位置がありそこで2年ごとに植えつけています。
北側の半日陰なので冬のアブラナ科野菜はどこでは育てられません。