ピーマンはプランター栽培がおすすめです。ナスやトマトよりもプランター栽培が簡単です。ナスほど肥料切れになることもないし、トマトほど水やりのバランスも繊細でもありません。
プランターで放任していてもよく育つ簡単な野菜の一つです。ただし、1つだけ注意が必要でそれは基本的に他の野菜と混植をしないということです。一番いいのは1本の苗を10号程度の鉢で育てるか、2本の苗を大きめのプランターで2本育てるのがいいようです。
他の野菜と混植しないといっても例えば相性のいいコンパニオンプランツも存在しています。コンパニオンプランツについてはコンパニオンプランツの項目で書き出していますのでそちらをご覧った抱けると嬉しいのですが、問題は混植してはいけない野菜のほうです。
ピーマンの育て方【プランター栽培がおすすめ!ただしここだけは要注意】
代表的な混植できない野菜にシシトウやトマトがあり、シシトウなどの甘トウガラシ類と混植してしまうと、ピーマンは水分を吸収しやすい野菜で、獅子唐が必要な水分を独り占めしてしまします。獅子唐は水分不足になると辛くなる生理障害があるのでシシトウにとっては絶対に混植してはいけない野菜がピーマンです。
また、トマトは水分のバランスが悪いと尻腐れ病などの障害が出ますが、トマトとピーマンでは必要な水分の量が違いすぎるので一般的にプランターに混植するのは危険です。
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ピーマンの育て方【家庭菜園の予備知識編】
ピーマン栽培の基本情報
野菜の種類 | 科目 | 適正土壌酸度 | 株間 | 連作障害 | 栽培難易度 |
ピーマン | ナス科 | ㏗6.0~㏗6.5 | 40cm~60cm | あり 輪作4年 | ★★☆☆☆ |
ピーマン栽培の概要
日照条件 | 日なたを好む |
生育の適正気温 | 20℃~30℃前後 |
発芽温度 | 15℃~25℃ |
水やり | 乾いたらたっぷり水やり |
肥料 | 肥料切れに注意 |
種まき時期 | 2月下旬~4月 |
植え付け適期 | 3月下旬~6月頃 |
収穫時期 | 5月中旬~10月ごろと長期にわたり収穫できる |
定植から収穫までの期間 | 60日前後 |
開花から収穫までの期間 | 20日前後 |
ピーマンの育て方【植物の概要】
名称 別名など | ピーマン 青唐など |
科目属名 | ナス科トウガラシ属 |
原産地 | 中央アメリカから南米の熱帯地方 |
分類 | 半耐寒性、一年草の果菜、低木 |
樹高 | 40cm~1.2m |
その他特徴など | 他の甘トウガラシ類との混植には適さない |
ピーマンの由来
ピーマンはもともと中央アメリカから南米の熱帯地域に分布する野菜でした。ヨーロッパに伝えられたのは、アメリカ大陸を発見したコロンブスによって、1493年にスペインに初めて紹介され、ヨーロッパ全域へ広まりました。日本には16世紀に伝わったとされています。
ピーマンとトウガラシは同じカプシクム属(Capsicum annuum)の野菜で、日本では、辛味のあるものをトウガラシ、辛味がないものをピーマン(甘トウガラシ)と呼んでいます。ただし、激辛のハバネロやハラペーニョなどは、別種(Capsicum chinense/シネンシス種)に属します。
ピーマンの仲間の小果種にシシトウなどがありますが、菜園に植えたシシトウが辛くなってしまうのは、トウガラシの花の花粉を受粉した結果ではなく、水不足などのストレスを受けて辛味が増すためです。
ピーマンは、カロテン、ビタミンCを多く含ム野菜で大変栄養価の高い野菜で、昔から子供が食べられない代表的な野菜です。
ピーマンの育て方【家庭菜園の実践編】
ピーマンの栽培カレンダー
ピーマンの土と畑作り
苦土石灰や消石灰で土の酸度を中和する
土壌適正酸度は㏗値6.0~6.5と弱酸性の土壌を好みます。栽培の2週間くらい前までに苦土石灰や消石灰をまいて中和しておきましょう。石灰の量は地面全体に軽く振りかけるまたはかぶせる程度でOKです。
石灰の中和と同時に化学肥料をまいてしまうと土の中で化学反応を起こして作物の成長に影響を与える可能性があるので、早いうちにまいておくのがBESTです。
堆肥と元肥を与えて土を耕しておきましょう
定植の7日くらい前までに土に堆肥として牛糞や鶏糞、豚糞などを与えてよく耕して、化成肥料を使う場合は元肥として10-10-10または14-14-14の化成肥料を一株に対して1握り程度まぶしておきましょう。
元肥とは定植前に施す肥料のことで、同じ肥料でも堆肥とは土に栄養を与えてふかふかな土を作るのに適した肥料のことを指します。牛糞堆肥は土をふかふかにしてくれる堆肥としての特徴が強く、鶏糞は堆肥としての力はあまりありませんが、肥料分を多く含んでいます。豚糞堆肥はある意味万能で堆肥としても元肥としても大変有効な肥料です。
ここまでの作業は畑でもプランターでもだいたい同じです。
畑で栽培する場合は畝を作って水はけを良くしておきましょう
堆肥を入れてよく耕したら幅60cm~70cm高さ10cmほどの畝を作ります。畝を作ると水はけがよくなります。
畝ができたらマルチを敷いて地温を上げておきましょう
畑で栽培する場合黒色のマルチを敷いておくと地の温度を上げてくれるので定植後の成長が促進されます。また黒マルチは光を通さないので雑草の繁殖を防いでくれます。値段は少し上がりますがシルバーマルチもあり、こちらはアブラムシなどの光るものを避けて行動する一部の害虫の接近を予防する効果があります。
ピーマンなどの唐辛子類は真夏の野菜です。この時期は放置しておくとすぐに雑草が生えて手に負えなくなるので黒マルチは必須です。
ピーマンの種まき
畑では種まきから育てない方がいいのか?プランター栽培は?
ピーマン自体の輪作は4年で普通ですが、ナス科の野菜なのでナスやトマトなどその他の人気ナス科野菜を育てるのには5年以上開けなくてはなりません。
実質その畑でナスやトマトが5年育てられないので、ピーマンはプランターで栽培するのがおすすめです。
接木苗が手に入れば畑で育てる
家庭菜園の畑では接木苗を使うと安心です。ナスやトマトなどの人気ナス科野菜との輪作を考えると、家庭菜園の畑でのピーマンの栽培には接木苗を使った方がいいでしょう。
プランター栽培がおすすめ
【連作障害を回避する】方法で、一番簡単に接木の苗を購入することで解決してくれます。
でも実際、ピーマンの接木苗ってあるのでしょうか?あっても高いピーマンの苗ってどう?必要ですか?
正直、ピーマンなどの唐辛子類はプランターで育てた方がいいと思います。
理由は、輪作のことと水やりの件を考えると他の野菜と混植しにくいので、しかもプランターでこじんまりと育てても十分収穫できる野菜です。
プランター栽培がおすすめです。
種まきはから始める場合は
種は簡単に採取できる
ピーマンをプランターなどで単年だけ栽培する場合、高価な接木苗を使わなくてもOKです。トウガラシ類は簡単に種を採取することができるので、秋に採取した種を来年お春先まで待って種まきすると苗や種を買わなくても毎年栽培を楽しくむことができます。
種を取るのは簡単なのでぜひチャレンジしてみてください。
種まきはその他の野菜とそう変わりません
もちろん直接プランターや畑にまくこともできますが、直接蒔くよりもポットで苗を育ててから定植したほうが安心で経済的です。
種まき
プランターや畑に直巻きする場合もポットに苗を作る場合も要領はほぼ同じで、深さ3cm~5cmくらいで、土をしっかりかぶせて暗闇を作るイメージです。発芽を促進させるには複数の種を同にポットに入れることです。複数発芽させて間引いていくことをお勧めします。トウガラシ類の種は小さいのでパラパラまくイメージでOKです。
注意すること
水やりで種が飛び出さないように土を上からしっかり押さえておきましょう。また、獅子唐の場合めったにありませんが、鳥などに種を食べられないように不織布などでカバーしておくと安心です。
ピーマンの植え付け方法
定植の仕方は基本的にその他の夏野菜と同様と考えてください。
植穴をあける
苗の定植はポット苗植え付け用の器具や球根植え付け用の器具を使うと簡単です。
器具を使ってポットとだいたい同じ深さの植穴を作って植え付けます。
植穴に水を入れる
苗を植え付ける前に植穴に水を入れて畝にある程度水分を浸透させておきましょう。適当な量でOKです。こうしておくと定植後の苗が根張りしやすくなります。
農薬
好みですが無農薬にこだわらずに低農薬を許容する場合は、水を入れる前に植穴にオルトラン粒剤やスミフェート粒剤、スターガード粒剤のような浸透移行型の殺虫剤の中から栽培する野菜に対応した薬品を入れておくと栽培初期の害虫予防になります。
栽培初期のアブラムシの被害が気になり、低農薬を許容する場合はベストガード粒剤を株もとに入れてあげましょう。ベストガード粒剤はトウガラシ類に公式対応している浸透移行型薬品です。
株間
株間は野菜を植え付けるときになやむ要素の一つです。株間は野菜の特性によってさまざまで、だいたいはその野菜の成長の仕方や草丈、横にどれだけ広がるかによって変わってきます。
植物の根張りの広がり具合は、地上での広がりがそのまま地下でも展開されていると考えてよいとされています。要するに地上で横に広がっている枝の先端と同じあたりまで根が張っているとゆうことだそうです。
ピーマンの株間
ピーマンは草丈40cm~1.2mくらいに成長します。3本仕立てにする場合、できれば株間40cm~60cm取ると良いでしょう。
プランターでコンパクトに栽培する場合は10号程度の鉢に1とつの苗を植えつけるとうまくいきます。
ピーマンの仕立て方
仕立て方
ピーマンは仕立て方などあまり考えず、放任して栽培しても栽培できますが、2本仕立てでの栽培がおすすめです。ピーマンの2本仕立てについては後から誘引の項目でお話ししますが、一番花が咲くあたりからV字型に分かれる2本ないし3本の枝を育てる方法が一般的です。
剪定
剪定としては、一番花より下の枝葉をすべて取り除いて風通しを良くしてあげましょう。風通しを良くしてあげると病害虫の予防になります。
ピーマンの支柱
ピーマンなどの唐辛子類はクレーン支柱で栽培すると簡単です。
クレーン仕立ての立て方は過去の記事を参考にしてください。
ピーマンの支柱で1番簡単なクレーン型支柱はプランター栽培の支柱としても大活躍
その他の支柱に関してはこちらの記事にまとめておきました。興味のある方はそちらも併せてごらんください。
支柱の立て方|ナス、トマト、エンドウ、カボチャ他、これだけでOK!家庭菜園全ての野菜に対応した5つの技
ピーマンの摘芯と誘引、受粉、摘果、肥料切れのサインなど
誘引
ピーマンなどの甘唐辛子類の野菜は通常一番花が咲いている付近で2股に分かれます。まれに3つに分かれるときもあるのですが、ふつうはV字になります。
V字に伸びる枝のどちらか片方を1本の枝を垂直に立てた支柱に垂直に誘引していきます。もう片方の枝にひもを結んでクレーンのように垂直に立てた支柱から吊るすように支えてあげてください。
受粉と摘果
自然に受粉してほぼ実になってくれます。人工授粉は全く必要ありません。さらに摘果も必要ありません。
肥料切れのサイン
肥料切れや水切れで辛くなります。肥料切れさせないように気をつけてください。
まとめ
まとめると①仕立て、②支柱、③追肥、④水やりと収穫~また追肥のような順序で栽培していましょう。それでは栽培の手順を順を追って説明していきます。
①仕立て
基本的には放任栽培で大丈夫ですが、一番花より下の枝葉は全て取り除きます。また、あまりにも込み合ってきたら日当たりを見ながら剪定してください。
②支柱
クレーン型支柱がおすすめです。簡単で経済的で特にプランター栽培でも立てやすいのが特徴です。
③追肥
基本は2週間に1度、肥料切れに注意してください。
④水やりと収穫~また追肥
プランター栽培では水切れに注意して早期収穫を心がけてください。
ピーマンの追肥
1回目の追肥
1回目の追肥は定植から2週間後くらいで行います。株もとをスコップで軽く掘り追肥してください。化成肥料か鶏糞役一握り、約50gから70g程度を毎回施肥していくと良いでしょう。
2回目以降の追肥
収穫や剪定のたびに、だいたい2週間に1度を目安に追肥してください。
基本は株からだんだん離していきながら追肥するのですが、プランターの場合株間や株の周りにパラパラまいて軽く土になじませるイメージでOKです。
ピーマンの水やり
プランターで栽培する場合は特に水切れしやすいので注意してください。表面が乾いたらたっぷりと水やりして水切れをさせないのが栽培のポイントです。畑での栽培の場合は通常水やりは必要ありません。植え付け間際の小さい苗の時や真夏の日照りが続く時期には適度に水やりしてください。
ピーマンの収穫
ピーマンは品種にもよりますが、実が8cm~15cm前後になったら収穫してください。
虫に食われたり赤く熟す前に、早期収穫していくと長く多く収穫できます。
ピーマンの害虫
アブラムシ
アブラムシは春から夏の終わりごろまでに飛来して繁殖する害虫で、ほとんどの野菜に被害を与える害虫の代表的存在です。小さな個体が群集している様子がものすごく気持ち悪いと感じる方が多いと思います。
アブラムシの駆除方法
アブラムシにもたくさんの種類がいて、たくさんの種類のアブラムシが寄生します。いずれも株のエキスを吸引し、ウイルス性の病気を媒介するので駆除が必要です。
テントウムシの成虫はアブラムシを食べる益虫ですが、テントウムシがいることはアブラムシもいるということになるので注意してください。
無農薬で栽培する場合はガムテープで除去したり、牛乳を散布して窒息死させたり、木炭や竹炭を作る際に発生する煙の成分を冷却して得られた水溶液である木竹酢を散布したり、黄色い粘着力のある札を作物にぶら下げたり、銀色のマルチや光テープで囲ったり対処の方法はたくさんあります。
手に負えなくなって薬剤の散布を考える場合、ベニカベジフル乳剤、スミチオン乳剤、マラソン乳剤、ベニカ水溶液などが有効です。
ピーマンなどの唐辛子類にはベニカベジフルスプレーが対応しているのでおすすめです。どうしても被害がひどく、薬品を使う場合はベニカベジフルスプレーを適量散布してください。
アブラムシ駆除のお方法は別の記事に詳しく記載したいと思いますのでそちらの記事を参照してください。
テントウムシだまし
テントウムシはアブラムシを食べる益虫ですが、このテントウムシだましは益虫ではありません。形はテントウムシに似ていますが、背中が柔らかく、アブラムシを食べません。早茎を食害する害虫で、色は赤色なのですが背中には黒い星がたくさんあり、28星(にじゅうやほし)てんとうなどとも呼ばれています。
にじゅうやほしテントウの幼虫も葉を食べる害虫です。
テントウムシだましの駆除方法
見つけ次第捕殺するのが一番です。ペットボトルなどで簡単に捕殺できます。
ヒメコガネムシとコガネムシ
ヒメコガネムシはコガネムシの中でも比較的小さく体長1.3cm~1.6cmくらいのきれいに輝く緑色か黒色の甲虫です。
まれに、葉に姫コガネムシがやってきて葉を食害します。頻繁に交尾して土中に卵を産み付けるのですが、この幼虫がまた曲者で根を食い荒らすのです。
コガネムシの被害がトウガラシ類に及ぶことは稀ですが、土中に幼虫が潜んでいることはよくあります。むしろ幼虫の被害が大きいかもしれません。
コガネムシの除去方法
コガネムシは午前中には動きが悪く、午後からはなぜか動きがいいのです。ペットボトルなどにジョウゴを付けて受けておいて、葉を軽くゆすると面白いようにペットボトルの中に確保できます。逆に午後からはスーッと飛んで行ってしまうので、午前中に捕殺するのが一番です。
コガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫は土の中で根を食害し最悪の場合全てを枯らしてしまいます。成虫は葉を食害し繁殖も旺盛なので厄介な害虫です。見つけたら捕殺しましょう。
コガネムシの幼虫の駆除方法
耕しているときや掘り返しているときに出てきたら捕殺しておきましょう。
ヨトウムシ
アブラナ科の野菜が好物のヨトウムシですが、アブラナ科だけでなく多くの野菜を食い荒らします。
蛾の幼虫ですが昼間は株もとや土中に潜み、夜になると地上に現れます。だいたいは茶系の芋虫で中型から大型です。3㎝くらいから6㎝くらいのところでしょうか。
ヨトウムシの駆除方法
昼間は土中にいることが多いので駆除するのが難しく、また姿が見えないので出没していることすら気づかないことすらあるくらいです。見つけ次第捕殺することがおすすめです。虫の姿がないのに葉が虫食まれている状態を見たら土中にヨトウムシが潜んでいることをまず疑ってください。
コナジラミ
草花や野菜に広く寄生する小さな害虫です。一か所に無数に生息して一度に飛び立ちます。葉の裏に寄生して養分を吸い取るため葉がかすり状になり植物のお生育が悪くなります。放置しておくと野菜や花草を枯らしてしますこともあります。
コナジラミは植物の汁を吸って飛来するのでアブラムシ同様ウイルス性の病気を媒介したり、排せつ物の上にすす描画発生して葉や果実を黒く変色させる厄介者です。
コナジラミの除去方法
アブラムシ同様大量に発生したら無農薬での除去は難しく木竹酢や牛乳などを使用するか、天然成分で作られたオーガニック乳剤のアーリーセーフを使うのが最も効果的です。アーリーセーフは天然成分のヤシ油を成分にして作られた液体でハダニやアブラムシ、コナジラミなどの害虫の駆除と同時にうどん粉病の予防にも効果を発揮する優れものです。
アザミウマ
アザミウマはアブラムシと同様に樹液を吸引する害虫です。夏場の乾燥時期に多く発生し植物に害を与える吸汁性害虫です。
ハダニ
ハダニはコナジラミやアブラムシと同様に葉の裏などに寄生して樹液を吸引する害虫です。梅雨明けから夏場に多く繁殖して被害を与えます。非常に小さく単体では見つけにくいのですが、数が増えてくると白くカスリ状に見えるので、この時点で被害に気付くことが多いので予防しておくことが大切です。
ハダニの除去方法
ハダニの予防にはアーリーセーフが有効です。
カメムシ
触れると悪臭を放つ曲者で、年に3度くらい繁殖します。大量に発生すると手に負えない害虫で、ピーマンやシシトウの唐辛子類、特に鷹の爪に群集で生息しています。冬場は葉の裏などで成虫のまま冬越しして春先から活動を開始します。樹液を吸引する害虫です。
カメムシの駆除と対策
見つけ次第捕殺、唐辛子類などに群生している場合は薬剤をかけるのも一つの手です。枝を軽くゆするとすぐに落ちてしまうのですが、いつの間にかまた戻ってくるのでやっぱり捕殺するか、薬剤に頼るのかと思います。捕殺する場合は粘着テープを指にまいて触れてやるとある程度は取れますが、やっぱり落ちてしまいます。
手に負えなくなって薬剤の散布を考える場合、ベニカベジフル乳剤、スミチオン乳剤、マラソン乳剤、ベニカ水溶液などが有効です。
ピーマンにはベニカ水溶液がおすすめです。
どうしても被害がひどく薬品を使う場合はベニカ水溶液を適量散布してください。
ピーマンの主な病気
ピーマンなどのトウガラシ類にはたくさんの病気がありますがここでは代表的なものを記載することにします。病名はたくさんありますが、いずれの病気もかかってしまってからの対応よりも常に予防しておくことが大切です。
予防としては、植え付け前に石灰や有機たい肥を多用して、健全なアルカリ性の土を作ることと、株の風通しを良くして害虫の除去をしっかりすることです。
①有機たい肥や石灰でしっかりした土作り
②剪定で風通しの良い環境を作る
③害虫を駆除してウイルスの媒介を予防する
④オーソサイドやダコニールなどの消毒剤やアーリーセーフのような自然由来の有効成分を持つ薬剤を使用して予防する。
うどん粉病
うどん粉病はウリ科の野菜に多く発生するウイルス性の病気で、葉に白い斑点が出て放置しておくと葉が真っ白にうどん粉をまとったようになっていき、いずれ枯死してしまう怖い病気です。ひどいときは隣接する他の植物にも感染して被害を広げる場合があるので早めの対策が必要です。
うどん粉病の対策
うどん粉病が毎年発生するような場合は発生前からの予防が大切です。うどん粉病になる前にアーリーセーフなどの液剤を散布しておくことが大切です。
灰色かび病
茎や葉が解けるように腐る病気で、進行が進むとやがて灰色のカビに覆われて枯死する病気です。高湿で風通しが悪い状態で発生し、病原菌はしおれた過花弁、害虫の食害の跡、チッソ過多により軟弱に育った組織から侵入することが多く、枯れた花をこまめに摘み取ったり殺菌剤を使う場合は、予防としてダコニールやオーソサイド水溶液などで消毒しておくのも有効です。
灰色かび病の対策
先ほども述べたように、風通しを良くして咲き終わった花弁はこまめに撤去することで環境は改善されます。発生した場合は枯れた部分は完全に取り除きましょう。予防にはダコニールかオーソサイドの散布が有効です。
疫病
ナス科野菜に発生する土壌障害の一つで、梅雨時や秋の長雨の時期に発生しやすい病気です。茎、葉、実がしおれてやがて株全体が枯れてしまいます。特に実は黒く変色していき最終的には腐ってしまいます。
疫病の予防と対策
雨による泥の跳ね返りを防ぐためにマルチを張ったり敷き藁を引くことで簡単な予防となります。薬剤を使用するときは定期的にオーソサイドで殺菌してください。オーソサイドはトウガラシ類に対応した殺菌剤です。
ピーマンなどの唐辛子類のコンパニオンプランツ
トウガラシ類と相性のいいコンパニオンプランツ
エダマメ
ネギ類の野菜
ほうれん草
ハーブ類と花類
マリーゴールド(線虫よけ) サルビア(虫よけ) カモミール(虫よけ株を元気にする) ミント(虫よけ) バジル
トウガラシ類と相性の悪いコンパニオンプランツ
ナス科全般の野菜との混植は避けてください。特にナスは甘トウガラシ類の水分を吸収して水切れを起こさせることが多いので要注意です。
トマトと唐辛子類の野菜では必要な水分量が全く違うので混植は難しいです。
トウガラシ類の前作に適している植物
トウモロコシやマリーゴールドはナス科野菜の前作に適した作物です。
トウガラシ類の後作に植えると良い野菜
キャベツ、白菜、カリフラワー、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜はナス科の野菜の後作に適しています。