焼肉店などでよく出てくる、肉を巻いて食べるリーフレタスをサンチュと呼びます。また、場合によってはサンチェと言われることがあるようです。
サンチュかサンチェか?どちらが正しいかはさておき、サンチュ?は家庭の食卓にもあったらうれしい、重宝する野菜の一つです。
サンチュの育て方【サンチェはプランター栽培かコンパニオンプランツに最適です】
サンチュは特に冬の家庭菜園で育てると良い野菜です。
その理由を挙げると
- アブラナ科野菜が多い冬の畑で、アブラナ科のコンパニオンプランツに良い
- アブランカ科の連作を避けるために輪作に入れると良い
- プランターでも災害が容易
などなどですが、
種を一袋買っておく長年にわたり利用できますよ。(消費期限はありますが、過ぎていても使える場合が多いのです。発芽率などが低下するなどの減少があるかもしれませんので、あくまでも自己責任でお願いしますとゆうことで。。。。)
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ここからは本題の記事【サンチュの育て方】をお楽しみください。
サンチュの育て方【家庭菜園の予備知識】
サンチュの育て方【栽培の基本情報】
野菜の種類 | 科目 | 適正土壌酸度 | 株間 | 連作障害 | 栽培難易度 |
サンチュ | キク科 | ㏗6.0~㏗6.5 | 15㎝~20㎝(条間20㎝~30㎝) | あり輪作1年~3年 | ★☆☆☆☆ |
サンチュの育て方【栽培の概要】
日照条件 | 日なた |
生育の適正気温 | 15℃~20℃前後 |
発芽温度 | 15℃~20℃前後 |
水やり | プランターの場合、乾いたらたっぷり水やり |
肥料 | 成長期は14日に1度化成肥料を条間に少量づつ |
種まき時期 | 2月中旬~4月上旬(春蒔き)8月中旬~9月中旬(秋蒔き) |
植え付け適期 | 4月~5月上旬(春植え)9月中旬~10月中旬(秋植え) |
収穫時期 | 5月中旬~6月(春蒔き)10月中旬~翌年4月頃(秋蒔き) |
種まきから収穫までの期間 | 60日前後~(蒔き時による) |
開花から収穫までの期間 | 開花前に収穫する |
サンチュの育て方【植物の概要】
名称 別名など | サンチュ サンチェ リーフレタス |
科目属名 | キク科アクノノゲシ属(ラクトゥーカ属) |
原産地 | 地中海沿岸地域から中近東地域 |
分類 | 耐寒性の1年草 |
樹高 | 10cm~20cm程度 |
その他特徴など | 結球しないレタスで緑と紫の品種がある 寒さには強い |
サンチュの育て方【家庭菜園の実践編】
サンチュの年間栽培カレンダー
サンチュの土と畑作り
苦土石灰や消石灰で土の酸度を中和する
土壌適正酸度は㏗値6.0~6.5と弱酸性から中性の土壌を好みます。栽培の2週間くらい前までに苦土石灰や消石灰をまいて中和しておきましょう。石灰の量は若干多めで、地面全体に振りかけるまたはかぶせる程度です。
石灰の中和と同時に化学肥料をまいてしまうと土の中で化学反応を起こして作物の成長に影響を与える可能性があるので、早いうちにまいておくのがBESTです。
堆肥と元肥を与えて土を耕しておきましょう
定植の7日くらい前までに土に堆肥として牛糞や鶏糞、豚糞などを与えてよく耕して、化成肥料を使う場合は元肥として10-10-10や14-14-14などの化成肥料を一株に対して1握り程度混ぜておきましょう。
元肥とは定植前に施す肥料のことで、同じ肥料でも堆肥とは土に栄養を与えてふかふかな土を作るのに適した肥料のことを指します。牛糞堆肥は土をふかふかにしてくれる堆肥としての特徴が強く、鶏糞は堆肥としての力はあまりありませんが、肥料分を多く含んでいます。豚糞堆肥はある意味万能で堆肥としても元肥としても大変有効な肥料です。
ここまでの作業は畑でもプランターでもだいたい同じです。
畑で栽培する場合は畝を作って水はけを良くしておきましょう
堆肥を入れてよく耕したら幅60cm~70cm高さ10cmほどの畝を作ります。畝を作ると水はけがよくなります。
畝ができたらマルチを敷いて地温を上げておきましょう
畑で栽培する場合黒色のマルチを敷いておくと地の温度を上げてくれるので定植後の成長が促進されます。また黒マルチは光を通さないので雑草の繁殖を防いでくれます。値段は少し上がりますがシルバーマルチもあり、こちらはアブラムシなどの光るものを避けて行動する一部の害虫の接近を予防する効果があります。
土の跳ね返りによる病気の侵入を防いでくれるのでマルチは有効で、さらに放置しておくとすぐに雑草が生えて手に負えなくなるので黒マルチは必須です。
サンチュの種まき
基本的には畑でもプランターでも直巻きがおすすめです。
しかしながら、畑やプランターが準備できていないときに蒔く場合は発芽ポットなどで苗を作ってから植え替えることもできますよ。
ポットに蒔いて苗を作る場合
深さ3cm~5cmくらいで、土をしっかりかぶせて暗闇を作るイメージです。発芽を促進させるには複数の種を同時にポットに入れることです。複数発芽させて間引いていくことをお勧めします。種が小さいのでパラパラまくイメージでOKです。
直接蒔く&点蒔きがおすすめ
先ほども書きましたが、プランターでも直蒔きがおすすめです。
畑に直巻きする場合は、
株間15㎝程度になるよう点蒔きしてください。
1点に3から5粒程度蒔いて、間引きながら最終的に1本立ちさせましょう。
プランターで栽培するときも点蒔き
プランターで栽培する時も、株と株の間隔を15㎝ほど開けて点蒔きしてください。
1点に5粒程度蒔いておくとうまくいきます。
間引いた苗は移植もできます。
サンチュの植え付け(定植方法)
苗の定植方法は基本的にその他の野菜と同様と考えてください。
植穴をあける
苗の定植はポット苗植え付け用の器具や球根植え付け用の器具を使うと簡単です。
器具を使ってポットとだいたい同じ深さの植穴を作って植え付けます。
植穴に水を入れる
苗を植え付ける前に植穴に水を入れて畝にある程度水分を浸透させておきましょう。適当な量でOKです。こうしておくと定植後の苗が根張りしやすくなります。
苗を植え付ける
水が浸透したら苗を植え付けて、畑の土とポットの土の間に間隔が出来ないようにしっかりなじませておいてください。
サンチュの株間
サンチュを畑で栽培する場合は株間15㎝~20㎝程度取ると良いでしょう。
株間15㎝~20㎝程度(条間20㎝~30㎝くらい)
株間についてのマメ知識
株間は野菜を植え付けるときに悩む要素の一つです。株間は野菜の特性によってさまざまで、その野菜の成長の仕方や草丈、横にどれだけ広がるかによって変わってきます。
植物の根張りの広がり具合は、地上での広がりがそのまま地下でも展開されていると考えてよいとされています。要するに地上で横に広がっている枝の先端と同じあたりまで根が張っているとゆうことだそうです。
プランター栽培では
プランターで栽培する場合、野菜用の浅型プランターでも大型のプランターでも大丈夫です。
プランターの場合も株間15㎝~20㎝程度でOKです。
プランター栽培の場合肥料切れや水切れを起こしやすいので気を付けてください。
サンチュの防虫作業
サンチュの栽培ではトンネル栽培が有効です。特に春まきの場合は必須ですが、冬場の栽培でも栽培初期はまだ気温も暖かく害虫が活動しています。苗を植えつけたらすぐにトンネル支柱やダンポールなどの支柱を使って不織布か防虫ネットを張ってください。
すこし面倒な作業ですが、これをやるのとやらないとでは全然結果が変わってきます。苗を植えたらすぐにトンネルで対策してください。トンネルは追肥の時に少し開けたり、株が大きくなって圧迫されるようおになってきたら片方だけ外して解放してあげると良いでしょう。そうしておくと、真冬に雪が降る前にもう一度軽くかぶせてあげることができます。
サンチュの追肥
1回目の追肥
1回目の追肥は草丈が5㎝~10㎝を超えたころに行います。化成肥料か鶏糞役一握り、約50gから70g程度を毎回施肥していくと良いでしょう。条間に軽くまぶしていくイメージです。土となじませておくと肥料の効きが早くなります。
2回目以降の追肥
収穫や剪定のたびに、だいたい2週間に1度を目安に追肥してください。
プランターの場合株間や株の周りにパラパラまいて軽く土になじませるイメージでOKです。
サンチュの土寄せ
追肥のたびに除草を兼ねて軽く土寄せしてやるとすくすく育ちます。
サンチュの水やり
プランターで栽培する場合は、特に水切れしやすいので注意してください。表面が乾いたらたっぷりと水やりして、水切れをさせないのが栽培のポイントです。
畑での栽培の場合は通常水やりは必要ありませんが、植え付け間際の小さい苗の時や冬場の乾燥時期時期には適度に水やりしてください。
サンチュの収穫
サンチュは外葉から徐々に収穫することもできますが、ある程度株が大きくなってから、かぶごと地面から切り取り一気に収穫することもできます。
収穫時期の判断は割と簡単で、目安は株の外観を見てある程度大きくなったものから収穫して下さい。
サンチュの害虫
サンチュの主な害虫と簡単な駆除方法をご紹介します。
アブラムシ
アブラムシは春から夏の終わりごろまでに飛来して繁殖する害虫で、ほとんどの野菜に被害を与える害虫の代表的存在です。小さな個体が群集している様子がものすごく気持ち悪いと感じる方が多いと思います。
アブラムシの駆除方法
アブラムシにもたくさんの種類がいて、たくさんの種類のアブラムシが寄生します。いずれも株のエキスを吸引し、ウイルス性の病気を媒介するので駆除が必要です。
テントウムシの成虫はアブラムシを食べる益虫ですが、テントウムシがいることはアブラムシもいるということになるので注意してください。
無農薬で栽培する場合はガムテープで除去したり、牛乳を散布して窒息死させたり、木炭や竹炭を作る際に発生する煙の成分を冷却して得られた水溶液である木竹酢を散布したり、黄色い粘着力のある札を作物にぶら下げたり、銀色のマルチや光テープで囲ったり対処の方法はたくさんあります。
冬場の栽培はアブラムシの被害は少なく、秋口の苗がまだ小さいころにトンネル栽培することでアブラムシの被害は抑えられます。
薬品を使う場合はアーリーセーフ、ベニカマイルドスプレーなどがサンチュに対応しています。
おすすめはアーリーセーフです。アーリーセーフは自然由来の成分で構成されているオーガニック薬品です。
ハダニ
ハダニはコナジラミやアブラムシと同様に葉の裏などに寄生して樹液を吸引する害虫です。梅雨明けから夏場に多く繁殖して被害を与えます。非常に小さく単体では見つけにくいのですが、数が増えてくると白くカスリ状に見えるので、この時点で被害に気付くことが多いので予防しておくことが大切です。
ハダニの除去方法
ハダニの予防にはアーリーセーフが有効です。1本持っていると便利な薬品です。
ヨトウムシ
アブラナ科の野菜が好物のヨトウムシですが、アブラナ科だけでなく多くの野菜を食い荒らします。
蛾の幼虫ですが昼間は株もとや土中に潜み、夜になると地上に現れます。だいたいは茶系の芋虫で中型から大型です。3㎝くらいから6㎝くらいのところでしょうか。
ヨトウムシの駆除方法
昼間は土中にいることが多いので駆除するのが難しく、また姿が見えないので出没していることすら気づかないことすらあるくらいです。見つけ次第捕殺することがおすすめです。虫の姿がないのに葉が虫食まれている状態を見たら土中にヨトウムシが潜んでいることをまず疑ってください。
サンチュの病気
ここでは代表的なものを記載することにします。いずれの病気もかかってしまってからの対応よりも常に予防しておくことが大切です。
予防としては、植え付け前に石灰や有機たい肥を多用して、健全なアルカリ性の土を作ることと、株の風通しを良くして害虫の除去をしっかりすることです。
①有機たい肥や石灰でしっかりした土作り
②剪定で風通しの良い環境を作る
③害虫を駆除してウイルスの媒介を予防する
④オーソサイドやダコニールなどの消毒剤やアーリーセーフやカリグリーンのような自然由来の有効成分を持つ薬剤を使用して予防する。
うどん粉病
うどん粉病は野菜だけでなく植物全般に発生するウイルス性の病気で、葉に白い斑点が出て放置しておくと葉が真っ白にうどん粉をまとったようになっていき、いずれ枯死してしまう怖い病気です。ひどいときは隣接する他の植物にも感染して被害を広げる場合があるので早めの対策が必要です。
うどん粉病の対策
うどん粉病が毎年発生するような場合は発生前からの予防が大切です。うどん粉病になる前にアーリーセーフなどの液剤を散布しておくことが大切です。
アーリーセーフとカリグリーン、ベニカマイルドスプレーがサンチュには有効です。
灰色かび病
茎や葉が解けるように腐る病気で、進行が進むとやがて灰色のカビに覆われて枯死する病気です。高湿で風通しが悪い状態で発生し、病原菌はしおれた過花弁、害虫の食害の跡、チッソ過多により軟弱に育った組織から侵入することが多く、枯れた花をこまめに摘み取ったり殺菌剤を使う場合は、予防として消毒しておくのも有効です。
灰色かび病の対策
先ほども述べたように、風通しを良くして咲き終わった花弁はこまめに撤去することで環境は改善されます。発生した場合は枯れた部分は完全に取り除きましょう。予防にはカリグリーンが有効です。カリグリーンは小松菜の灰色かび病に対応しています。
サンチュのコンパニオンプランツ
サンチュと相性のいいコンパニオンプランツ
アブラナ科の野菜
チンゲン菜、小松菜、白菜、キャベツ、大根、カブなどのアブラナ科野菜全般との混植で虫よけの効果があるとされています。
ハーブ類と花類
マリーゴールド(線虫よけ) サルビア(虫よけ) カモミール(虫よけ株を元気にする) ミント(虫よけ) バジル(連作障害が出にくくなる)
サンチュの前作に適した植物
トウモロコシやマリーゴールドは春菊の前作に適した作物です。
サンチュの後作に植えると良い野菜
キク科の連作は避けてください。
後作に植えるのは、キク科以外であれば問題ありませんが、日照条件やプランターのサイズ的にはズッキーニなどが適しています。
畑で栽培している場合や秋蒔きの後は、そのままナス科やウリ科の夏野菜を植え付けると良いでしょ。