日本全国で栽培されている丸茄子は日本の伝統野菜の一つです。通常よく見かける中長のナスよりも少し小さく丸型でかわいい品種です。
丸ナスの育て方【茄子田楽やチーズ焼きなどにはかわいい丸茄子が合う理由】
食材として非常に優れたナスの品種で、皮は柔らかいのに実はしっかりとしていて、煮崩れしにくいので田楽やチーズ焼きなどの料理には最適です。おまけに見た目もかわいいので食卓の上でもいつも新鮮です。
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丸ナスの育て方【家庭菜園の予備知識編】
丸ナス栽培の基本情報
野菜の種類 | 科目 | 適正土壌酸度 | 株間 | 連作障害 | 栽培難易度 |
丸ナス | ナス科 | ㏗6.0~㏗6.5 | 50cm~60cm | あり 輪作4年~5年 | ★★☆☆☆ |
丸ナス栽培の概要
日照条件 | 日なたを好む |
生育の適正気温 | 20℃~30℃前後 |
発芽温度 | 20℃~30℃ |
水やり | 乾いたらたっぷり水やり |
肥料 | 多肥料を好む |
種まき時期 | 3月下旬~5月 |
植え付け適期 | 4月下旬~5月頃 |
収穫時期 | 5月中旬~10月ごろと長期にわたり収穫できる |
定植から収穫までの期間 | 60日前後 |
開花から収穫までの期間 | 20日~25日前後 |
丸ナスの育て方【植物の概要】
名称 別名など | 丸茄子 |
科目属名 | ナス科ナス属 |
原産地 | ナスの原産国はインド |
分類 | 一年草の果菜 |
樹高 | 40cm~1.5m |
その他特徴など | 栽培期間が長い 丸い小振りのナス |
丸ナスの育て方【家庭菜園の実践編】
丸ナスの栽培カレンダー
丸茄子の土と畑作り
苦土石灰や消石灰で土の酸度を中和する
土壌適正酸度は㏗値6.0~6.5と弱酸性の土壌を好みます。栽培の2週間くらい前までに苦土石灰や消石灰をまいて中和しておきましょう。石灰の量は地面全体に軽く振りかけるまたはかぶせる程度でOKです。
石灰の中和と同時に化学肥料をまいてしまうと土の中で化学反応を起こして作物の成長に影響を与える可能性があるので、早いうちにまいておくのがBESTです。
堆肥と元肥を与えて土を耕しておきましょう
定植の7日くらい前までに土に堆肥として牛糞や鶏糞、豚糞などを与えてよく耕して、化成肥料を使う場合は元肥として10-10-10や14-14-14などの化成肥料を一株に対して1握り程度まぶしておきましょう。
元肥とは定植前に施す肥料のことで、同じ肥料でも堆肥とは土に栄養を与えてふかふかな土を作るのに適した肥料のことを指します。牛糞堆肥は土をふかふかにしてくれる堆肥としての特徴が強く、鶏糞は堆肥としての力はあまりありませんが、肥料分を多く含んでいます。豚糞堆肥はある意味万能で堆肥としても元肥としても大変有効な肥料です。
ここまでの作業は畑でもプランターでもだいたい同じです。
畑で栽培する場合は畝を作って水はけを良くしておきましょう
堆肥を入れてよく耕したら幅60cm~70cm高さ10cmほどの畝を作ります。畝を作ると水はけがよくなります。
畝ができたらマルチを敷いて地温を上げておきましょう
畑で栽培する場合黒色のマルチを敷いておくと地の温度を上げてくれるので定植後の成長が促進されます。また黒マルチは光を通さないので雑草の繁殖を防いでくれます。値段は少し上がりますがシルバーマルチもあり、こちらはアブラムシなどの光るものを避けて行動する一部の害虫の接近を予防する効果があります。
ナスは真夏の野菜です。この時期は放置しておくとすぐに雑草が生えて手に負えなくなるので黒マルチは必須です。
丸茄子の種まき
ナスは種まきから育てない方がいい
ナスは連作障害が強い野菜です。4年~5年あけて輪作することをお勧めします。かといってもスペースが限られた家庭菜園では5年に一度しか栽培できないなんて考えられませんねエ。
家庭菜園では接木苗を使うと安心です。
家庭菜園のナスは接木苗で育てる
家庭菜園の畑では接木苗を使うと安心です。ナスやトマトなどの人気ナス科野菜は輪作を考えると、家庭菜園での栽培には接木苗を使った方がいいでしょう。
それでも種まきはから始める場合は
ナスをプランターなどで単年だけ栽培する場合、高価な接木苗を使わなくてもOKです。さらには種から育てることもできるでしょう。
種まきはその他の野菜とそう変わりません
もちろん直接プランターや畑にまくこともできますが、直接蒔くよりもポットで苗を育ててから定植したほうが安心で経済的です。
種まき
プランターや畑に直巻きする場合もポットに苗を作る場合も要領はほぼ同じで、深さ3cm~5cmくらいで、土をしっかりかぶせて暗闇を作るイメージです。発芽を促進させるには複数の種を同にポットに入れることです。複数発芽させて間引いていくことをお勧めします。ナスの種は小さいのでパラパラまくイメージでOKです。
注意すること
水やりで種が飛び出さないように土を上からしっかり押さえておきましょう。また、ナスの場合めったにありませんが、鳥などに種を食べられないように不織布などでカバーしておくと安心です。
丸茄子の定植え付け
定植の仕方は基本的にその他の夏野菜と同様と考えてください。
植穴をあける
苗の定植はポット苗植え付け用の器具や球根植え付け用の器具を使うと簡単です。
器具を使ってポットとだいたい同じ深さの植穴を作って植え付けます。
植穴に水を入れる
苗を植え付ける前に植穴に水を入れて畝にある程度水分を浸透させておきましょう。適当な量でOKです。こうしておくと定植後の苗が根張りしやすくなります。
農薬
好みですが無農薬にこだわらずに低農薬を許容する場合は、水を入れる前に植穴にオルトラン粒剤やスミフェート粒剤、スターガード粒剤のような浸透移行型の殺虫剤の中から栽培する野菜に対応した薬品を入れておくと栽培初期の害虫予防になります。
栽培初期のアブラムシの被害が気になり、低農薬を許容する場合はオルトラン粒剤を株もとに入れてあげましょう。オルトラン粒剤はナスに公式対応している浸透移行型薬品です。
家庭菜園の豆知識 株間
株間は野菜を植え付けるときになやむ要素の一つです。株間は野菜の特性によってさまざまで、だいたいはその野菜の成長の仕方や草丈、横にどれだけ広がるかによって変わってきます。
植物の根張りの広がり具合は、地上での広がりがそのまま地下でも展開されていると考えてよいとされています。要するに地上で横に広がっている枝の先端と同じあたりまで根が張っているとゆうことだそうです。
丸茄子の株間
丸茄子は草丈40cm~1.5mくらいに成長します。畑で栽培する場合は株間50cm~60cm取ると良いでしょう。
丸ナスのプランター栽培
プランターで栽培する場合、10号鉢に1本植えするのがおすすめです。1本でもたくさん収穫できるので家庭菜園では十分です。
丸茄子の仕立て方
丸ナスは2本から3本仕立てや4本仕立てで育てる事ができます。中でも一般的なのは3本仕立てす。
3本仕立ての場合は、上に伸びる主枝と、主枝の一番花が咲くところの上下2本の脇芽を残して、主枝に出たその他の脇芽はすべて摘み取ります。主枝と2本の脇芽をのばしていく仕立て方が3本仕立てです。
丸茄子の支柱
3本仕立てで育てる場合、150cm以上の支柱を3本用意して主枝と育てる脇芽2本に沿って支柱を建てます。
3つの支柱を互いにクロスさせるようにして土中に刺して、交わったところを麻紐やナイロンの日もなどで縛ると固定できます。
3本の枝をそれぞれの支柱に沿って誘引しながら栽培するようになります。
ナスの支柱に関してはこちらの記事に詳しくまとめてあるので合わせてご利用ください。
ナスの支柱の立て方|家庭菜園のナスは3本仕立て支柱で決まり!ナスのプランター栽培はこの支柱で大丈夫
その他の支柱に関してはこちらの記事にまとめておきました。興味のある方はそちらも併せてごらんください。
支柱の立て方|ナス、トマト、エンドウ、カボチャ他、これだけでOK!家庭菜園全ての野菜に対応した5つの技
丸茄子の摘芯と誘引、受粉、摘果、肥料切れのサインなど
誘引
ナスの誘引は簡単で成長に沿って支柱に枝をむすびつけるだけです。
受粉と摘果
ナスに無駄はなしといわれるくらい、自然に受粉してほぼ実になってくれます。人工授粉は全く必要ありません。さらに摘果も必要ありませんが肥料切れすると石ナスと言って固いナスが出来上がります。日りょおう切れには注意が必要です。
肥料切れのサイン
ナスの花には雄蕊(おしべ)に囲まれて1本の雌蕊(めしべ)が伸びています。肥料がいきわたっているときは、この雌蕊の長さが雄蕊より長くなっているのですが、時々このめしべが雄蕊と同じ長さになっていることがあります。これが肥料切れになりかけているサインです。すぐに施肥してください。
丸ナスの栽培管理 まとめ
まとめると①仕立て、②支柱、③追肥、④摘芯と収穫~また追肥のような順序で栽培していましょう。それでは栽培の手順を順を追って説明していきます。
①仕立て~3本ないし4本仕立てに脇芽をかき取る
1番花が咲く上下あたりの勢いのいい脇芽を2本から3本残して、その下の脇芽は全てかきとりましょう。下部の風通しを良くすることで病害虫の被害からの予防策となります。主枝と残した脇芽から今後出てくる脇芽は、収穫しながら剪定していきます。詳しくは後で説明いたします。
②支柱
3本仕立ての支柱がおすすめです。
支柱で支えを作る。くわしい支柱の立て方は別の記事にまとめてありますのでこちらの記事を参考にしてください。
③追肥
ナスを多収穫するには多肥が必要です。だいたい2週間に一度の割合で収穫した後などにお礼肥をしてください。花の雌蕊(めしべ)を確認しながら肥料切れさせないようにしてください。
④摘芯と収穫~また追肥
主枝との支柱に沿って伸ばしている脇芽からも次々と脇芽が出てきます。子の脇芽をすべてそのまま伸ばしていくと株が弱ってしまって実に養分がいきわたらなくなり、また葉が茂りすぎて影を作るので光合成がうまくできないようになってしまいます。
たくさん収穫するために、枝を選定しながら育てていきましょう。
剪定と収穫の方法は次の項目でお話いたしますが、ナスの栽培は、剪定、収穫、追肥を繰り返して進んでいくと考えてください。
多収穫のための剪定
ナスの剪定をする目的は株を疲れさせないためと、光合成の妨げになる影を作らないようにするための2つです。
ナスは葉を2枚つけて花、また葉を2枚つけて花、と規則的に伸びていきます。
ナスは次から次へと花を咲かせるので、株を疲れさせないために枝に花が2つついて、葉が1枚付いたらその先で枝を剪定してください。
剪定すると脇芽が伸びてくるのでその脇芽も同じ要領で剪定しながら収穫していきます。
つぼみがついているともったいない気もしますが、またすぐに脇芽が出てくるので早いうちに積んでおきましょう。
丸ナスの水やり
プランターで栽培する場合は特に水切れしやすいので注意してください。表面が乾いたらたっぷりと水やりして水切れをさせないのが栽培のポイントです。水切れさせると辛い唐辛子ができてしまいます。これは甘トウガラシ類に広く発生する生理い障害です。病気ではないので、しばらくして状態が安定すると辛い唐辛子はできなくなります。
畑での栽培の場合は通常水やりは必要ありませんが、植え付け間際の小さい苗の時や真夏の日照りが続く時期には適度に水やりしてください。
丸ナスの追肥
ナスは多肥を好みます。成長に沿って深く根を生やすので深く徐々に外周に向かって施肥していくのがポイントです。
肥料切れのサイン
タイミングは定期的にですが、雌蕊(めしべ)を見ながら判断してください。
中心にある雌蕊(めしべ)が短くなってきたら日肥料切れのサインです。すぐに施肥が必要です。
1回目の追肥
1回目の追肥は定植から2週間後くらいで行います。株もとをスコップで軽く掘り追肥してください。化成肥料か鶏糞役一握り、役50gから70g程度を毎回施肥していくと良いでしょう。
2回目以降の追肥
収穫や剪定のたびに、だいたい2週間に1度を目安に追肥してください。
2回目以降の追肥の際は短めの支柱などの細長い棒をかむの周りの3点ぐらいに突き刺して穴をあけて、その穴に肥料を入れて埋め戻すと深い位置に施肥することができます。
丸茄子の収穫
丸茄子は品種にもよりますが実が10cm~13cm前後になったら収穫してください。
虫に食われる前に、早期収穫していくと長く多く収穫できます。
丸ナスの害虫
アブラムシ
アブラムシは春から夏の終わりごろまでに飛来して繁殖する害虫で、ほとんどの野菜に被害を与える害虫の代表的存在です。小さな個体が群集している様子がものすごく気持ち悪いと感じる方が多いと思います。
アブラムシの駆除方法
アブラムシにもたくさんの種類がいて、ナスにはたくさんの種類のアブラムシが寄生します。いずれも株のエキスを吸引し、ウイルス性の病気を媒介するので駆除が必要です。
テントウムシの成虫はアブラムシを食べる益虫ですが、テントウムシがいることはアブラムシもいるということになるので注意してください。
無農薬で栽培する場合はガムテープで除去したり、牛乳を散布して窒息死させたり、木炭や竹炭を作る際に発生する煙の成分を冷却して得られた水溶液である木竹酢を散布したり、黄色い粘着力のある札を作物にぶら下げたり、銀色のマルチや光テープで囲ったり対処の方法はたくさんあります。
手に負えなくなって薬剤の散布を考える場合、ベニカベジフル乳剤、スミチオン乳剤、マラソン乳剤、ベニカ水溶液などが有効です。
ナスにはマラソン乳剤が対応しているのでおすすめです。どうしても被害がひどく、薬品を使う場合はマラソン乳剤を適量散布してください。
アブラムシ駆除のお方法は別の記事に詳しく記載したいと思いますのでそちらの記事を参照してください。
テントウムシだまし
テントウムシはアブラムシを食べる益虫ですが、このテントウムシだましは益虫ではありません。形はテントウムシに似ていますが、背中が柔らかく、アブラムシを食べません。早茎を食害する害虫で、色は赤色なのですが背中には黒い星がたくさんあり、28星(にじゅうやほし)てんとうなどとも呼ばれています。
にじゅうやほしテントウの幼虫も葉を食べる害虫です。
テントウムシだましの駆除方法
見つけ次第捕殺するのが一番です。ペットボトルなどで簡単に捕殺できます。
ヒメコガネムシとコガネムシ
ヒメコガネムシはコガネムシの中でも比較的小さく体長1.3cm~1.6cmくらいのきれいに輝く緑色か黒色の甲虫です。
ナスの葉には頻繁に姫コガネムシがやってきて葉を食害します。頻繁に交尾して土中に卵を産み付けるのですが、この幼虫がまた曲者で根を食い荒らすのです。
コガネムシの除去方法
コガネムシは午前中には動きが悪く、午後からはなぜか動きがいいのです。ペットボトルなどにジョウゴを付けて受けておいて、葉を軽くゆすると面白いようにペットボトルの中に確保できます。逆に午後からはスーッと飛んで行ってしまうので、午前中に捕殺するのが一番です。ナスのコガネムシに対応している薬品はありません。
コガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫は土の中で根を食害し最悪の場合全てを枯らしてしまいます。成虫は葉を食害し繁殖も旺盛なので厄介な害虫です。見つけたら捕殺しましょう。
コガネムシの幼虫の駆除方法
耕しているときや掘り返しているときに出てきたら捕殺しておきましょう。
ヨトウムシ
アブラナ科の野菜が好物のヨトウムシですが、アブラナ科だけでなく多くの野菜を食い荒らします。
蛾の幼虫ですが昼間は株もとや土中に潜み、夜になると地上に現れます。だいたいは茶系の芋虫で中型から大型です。3㎝くらいから6㎝くらいのところでしょうか。
ヨトウムシの駆除方法
昼間は土中にいることが多いので駆除するのが難しく、また姿が見えないので出没していることすら気づかないことすらあるくらいです。見つけ次第捕殺することがおすすめです。虫の姿がないのに葉が虫食まれている状態を見たら土中にヨトウムシが潜んでいることをまず疑ってください。
コナジラミ
草花や野菜に広く寄生する小さな害虫です。一か所に無数に生息して一度に飛び立ちます。葉の裏に寄生して養分を吸い取るため葉がかすり状になり植物のお生育が悪くなります。放置しておくと野菜や花草を枯らしてしますこともあります。
コナジラミは植物の汁を吸って飛来するのでアブラムシ同様ウイルス性の病気を媒介したり、排せつ物の上にすす描画発生して葉や果実を黒く変色させる厄介者です。
コナジラミの除去方法
アブラムシ同様大量に発生したら無農薬での除去は難しく木竹酢や牛乳などを使用するか、天然成分で作られたオーガニック乳剤のアーリーセーフを使うのが最も効果的です。アーリーセーフは天然成分のヤシ油を成分にして作られた液体でハダニやアブラムシ、コナジラミなどの害虫の駆除と同時にうどん粉病の予防にも効果を発揮する優れものです。
アザミウマ
アザミウマはアブラムシと同様に樹液を吸引する害虫です。夏場の乾燥時期に多く発生し植物に害を与える吸汁性害虫です。
ハダニ
ハダニはコナジラミやアブラムシと同様に葉の裏などに寄生して樹液を吸引する害虫です。梅雨明けから夏場に多く繁殖して被害を与えます。非常に小さく単体では見つけにくいのですが、数が増えてくると白くカスリ状に見えるので、この時点で被害に気付くことが多いので予防しておくことが大切です。
ハダニの除去方法
ハダニの予防にはアーリーセーフが有効です。
カメムシ
触れると悪臭を放つ曲者で、年に3度くらい繁殖します。大量に発生すると手に負えない害虫で、ピーマンやシシトウなどの唐辛子類、特に鷹の爪に群集で生息しています。冬場は葉の裏などで成虫のまま冬越しして春先から活動を開始します。樹液を吸引する害虫です。
カメムシの駆除と対策
見つけ次第捕殺、唐辛子類などに群生している場合は薬剤をかけるのも一つの手です。枝を軽くゆするとすぐに落ちてしまうのですが、いつの間にかまた戻ってくるのでやっぱり捕殺するか、薬剤に頼るのかと思います。捕殺する場合は粘着テープを指にまいて触れてやるとある程度は取れますが、やっぱり落ちてしまいます。
手に負えなくなって薬剤の散布を考える場合、ベニカベジフル乳剤、スミチオン乳剤、マラソン乳剤、ベニカ水溶液などが有効です。
ナスにはマラソン乳剤が対応しているのでおすすめです。が、でも、、、無農薬のほうがいいので、ナスの場合はカメムシ被害は、比較的少ないのでこれは必要ないかもしれませんね。
どうしても被害がひどく薬品を使う場合はマラソン乳剤を適量散布してください。ピーマンなどにも使えるので持っているとカメムシ対策には重宝する薬剤の一つです。
丸ナスの主な病気
ナスにはたくさんの病気がありますがここでは代表的なものを記載することにします。病名はたくさんありますが、いずれの病気もかかってしまってからの対応よりも常に予防しておくことが大切です。
予防としては、植え付け前に石灰や有機たい肥を多用して、健全なアルカリ性の土を作ることと、株の風通しを良くして害虫の除去をしっかりすることです。
①有機たい肥や石灰でしっかりした土作り
②剪定で風通しの良い環境を作る
③害虫を駆除してウイルスの媒介を予防する
④オーソサイドやダコニールなどの消毒剤やアーリーセーフやカリグリーンのような自然由来の有効成分を持つ薬剤を使用して予防する。
うどん粉病
うどん粉病はウリ科の野菜に多く発生するウイルス性の病気で、葉に白い斑点が出て放置しておくと葉が真っ白にうどん粉をまとったようになっていき、いずれ枯死してしまう怖い病気です。ひどいときは隣接する他の植物にも感染して被害を広げる場合があるので早めの対策が必要です。ウリ科の植物だけでなく多くの植物に発生する怖い病気です。
うどん粉病の対策
うどん粉病が毎年発生するような場合は発生前からの予防が大切です。うどん粉病になる前にアーリーセーフなどの液剤を散布しておくことが大切です。
半枯れ病
ナスに発生する土壌伝染性病原菌の一つで、不思議なくらい茎の半分(片側の葉脈に沿って上から下まで)だけ枯れていく病気です。いずれ株全体を枯らしてしまい、放置しておくと病原菌の胞子が何十年という単位で土中に潜伏する怖い病気です。
半枯れ病の予防と対策
予防には苦土石灰を多く用いてアルカリ性のしっかりした土を作って栽培することなるべく遠縁の野菜を輪作することです。発生したらすぐにその株を畑から撤去して天地返ししたり、石灰や有機肥料を多用して健全な土壌作りや輪作を心がけると良いでしょう。
灰色かび病
茎や葉が解けるように腐る病気で、進行が進むとやがて灰色のカビに覆われて枯死する病気です。高湿で風通しが悪い状態で発生し、病原菌はしおれた過花弁、害虫の食害の跡、チッソ過多により軟弱に育った組織から侵入することが多く、枯れた花をこまめに摘み取ったり殺菌剤を使う場合は、予防としてダコニールやオーソサイド水溶液などで消毒しておくのも有効です。
灰色かび病の対策
先ほども述べたように、風通しを良くして咲き終わった花弁はこまめに撤去することで環境は改善されます。発生した場合は枯れた部分は完全に取り除きましょう。予防にはダコニールかオーソサイドの散布が有効です。
疫病
ナス科に多くに発生する土壌障害の一つで、梅雨時や秋の長雨の時期に発生しやすい病気です。茎、葉、実がしおれてやがて株全体が枯れてしまいます。特に実は黒く変色していき最終的には腐ってしまいます。
疫病の予防と対策
雨による泥の跳ね返りを防ぐためにマルチを張ったり敷き藁を引くことで簡単な予防となります。薬剤を使用するときは定期的にオーソサイドで殺菌してください。オーソサイドはトウガラシ類に対応した殺菌剤です。
丸ナスのコンパニオンプランツ
丸ナスと相性のいいコンパニオンプランツ
エダマメ
ネギ類の野菜
ほうれん草
ハーブ類と花類
マリーゴールド(線虫よけ) サルビア(虫よけ) カモミール(虫よけ株を元気にする) ミント(虫よけ) バジル
丸ナスと相性の悪いコンパニオンプランツ
ナス科全般の野菜との混植は避けてください。ナスと甘トウガラシ類の混植は危険で、甘トウガラシ類の水分を吸収して水切れを起こさせることが多いので注意が必要です。
トマトとナスとでは水分の必要量が違いすぎるので混植はしない方が安全です。
丸ナスの前作に適している植物
トウモロコシやマリーゴールドはナス科野菜の前作に適した作物です。
丸ナスの後作に植えると良い野菜
キャベツ、白菜、カリフラワー、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜はナス科の野菜の後作に適しています。