ささげは、さやいんげん、に似ていますが違う野菜です。どちらも同じマメ科の野菜ですが、ササゲはマメ科ササゲ属、さやいんげんはマメ科インゲンマメ属に分類されています。
英語ではササゲを Cow pea やBlack-eyed pea などと呼ばれ、インゲンはCommon peaと呼ばれそれぞれ区別されています。
日本では通常インゲンはスーパーで普通に買えますが、ササゲがスーパーに並んでいることはめったにありません。というより私が住んでいる東京都の郊外ではまず見ることがないまずらしい野菜です。
さやごと食べる若い実の場合、調理法に関してもインゲンとほぼ同じですが、ササゲは完熟させて豆を取り、小豆の代わりとしても理湯出来ます。
ささげの育て方【さやインゲンとササゲの違い?株間や適正土壌酸度、コンパニオンプランツなど】
今回は、スーパーでは買えない珍し野菜で大変おいしくいただける家庭野菜として抜群のササゲの育て方です。コンパニオンプランツについては本文第4章【4.1】からです。。。。
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ささげの育て方【家庭菜園の予備知識編】
ささげ栽培の基本情報
野菜の種類 | 科目 | 適正土壌酸度 | 株間 | 連作障害 | 栽培難易度 |
ささげ | マメ科 | ㏗6.0~㏗7.0 | 30cm~50cm | あり輪作3年 | ★★★☆☆ |
ささげ栽培の概要
日照条件 | 日なたを好む |
生育の適正気温 | 20℃~25℃前後 |
発芽温度 | 20℃~25℃前後 |
水やり | プランターの場合、乾いたらたっぷり水やり |
肥料 | 肥料は少なめ |
種まき時期 | 4月~6月頃 |
植え付け適期 | 5月~6月頃 |
収穫時期 | 7月~9月頃 |
種まきから収穫までの期間 | 90日前後~150日前後 |
開花から収穫までの期間 |
植物の概要【ささげ】
名称 別名など | ささげ 大角豆 Black eye pea(英語名)16ささげ 十六大角豆 三尺ささげ |
科目属名 | マメ科ササゲ属 |
原産地 | アフリカ北部エチオピア(諸説あり) |
分類 | 耐寒性1年生植物 つる性 冬越し種 |
樹高 | 50cm~200cm程度 |
その他特徴など | 多肥料の必要はない アブラムシが付きやすい |
ささげの育て方【家庭菜園の実践編】
ささげの栽培カレンダー
ささげの土と畑作り
苦土石灰や消石灰で土の酸度を中和する
土壌適正酸度は㏗値6.0~7.0と弱酸性からアルカリ性よりの土壌を好みます。栽培の2週間くらい前までに苦土石灰や消石灰をまいて中和しておきましょう。石灰の量は地面全体に軽く振りかけるまたはかぶせる程度でOKです。
石灰の中和と同時に化学肥料をまいてしまうと土の中で化学反応を起こして作物の成長に影響を与える可能性があるので、早いうちにまいておくのがBESTです。
堆肥と元肥を与えて土を耕しておきましょう
定植の7日くらい前までに土に堆肥として牛糞や鶏糞、豚糞などを与えてよく耕して、化成肥料を使う場合は元肥として10-10-10や14-14-14などの化成肥料を一株に対して1握り程度混ぜておきましょう。
元肥とは定植前に施す肥料のことで、同じ肥料でも堆肥とは土に栄養を与えてふかふかな土を作るのに適した肥料のことを指します。牛糞堆肥は土をふかふかにしてくれる堆肥としての特徴が強く、鶏糞は堆肥としての力はあまりありませんが、肥料分を多く含んでいます。豚糞堆肥はある意味万能で堆肥としても元肥としても大変有効な肥料です。
ここまでの作業は畑でもプランターでもだいたい同じです。
畑で栽培する場合は畝を作って水はけを良くしておきましょう
堆肥を入れてよく耕したら幅60cm~70cm高さ10cmほどの畝を作ります。畝を作ると水はけがよくなります。
畝ができたらマルチを敷いて地温を上げておきましょう
畑で栽培する場合黒色のマルチを敷いておくと地の温度を上げてくれるので定植後の成長が促進されます。また黒マルチは光を通さないので雑草の繁殖を防いでくれます。値段は少し上がりますがシルバーマルチもあり、こちらはアブラムシなどの光るものを避けて行動する一部の害虫の接近を予防する効果があります。
土の跳ね返りによる病気の侵入を防いでくれるのでマルチは有効で、さらに放置しておくとすぐに雑草が生えて手に負えなくなるので黒マルチは必須です。
ささげの種まき
ポットに蒔いて苗を作る場合
深さ3cm~5cmくらいで、土をしっかりかぶせて暗闇を作るイメージです。発芽を促進させるには複数の種を同にポットに入れることです。複数発芽させて間引いていくことをお勧めします。
直接畑の蒔く場合
畑に直接蒔く場合は点蒔きしてください。点蒔きする場合は条間60㎝に25㎝~40㎝くらい株間を取って1か所に3から5粒程度蒔いていきましょう。(頑張って株間25㎝でも大丈夫でした)
種にはしっかり土をかけて水やりで種が流れないようにするのがポイントです。
プランターで栽培するときは点蒔き
プランターで栽培する場合は株と株の間が25㎝~30㎝程度になるように点蒔きすると良いでしょう。1か所に3から5つ程度の種をまいて、間引きながら最終的に1本にしていきます。しっかり土をかぶせておいてください。
ささげの植え付け(定植方法)
苗の定植方法は基本的にその他の野菜と同様と考えてください。
植穴をあける
苗の定植はポット苗植え付け用の器具や球根植え付け用の器具を使うと簡単です。
器具を使ってポットとだいたい同じ深さの植穴を作って植え付けます。
植穴に水を入れる
苗を植え付ける前に植穴に水を入れて畝にある程度水分を浸透させておきましょう。適当な量でOKです。
こうしておくと定植後の苗が根張りしやすくなります。
家庭菜園のマメ知識 株間について
株間は野菜を植え付けるときに悩む要素の一つです。株間は野菜の特性によってさまざまで、だいたいはその野菜の成長の仕方や草丈、横にどれだけ広がるかによって変わってきます。
植物の根張りの広がり具合は、地上での広がりがそのまま地下でも展開されていると考えてよいとされています。要するに地上で横に広がっている枝の先端と同じあたりまで根が張っているとゆうことだそうです。
ささげの株間
畑で栽培する場合は株間30㎝~40㎝(25㎝でも可能です)取ると良いでしょう。
株間30㎝~40㎝(25㎝でも可能です)苗の植え付けや点蒔きする
ささげのプランター栽培
株間25㎝から40㎝程度で点蒔きしてください(1点に3から5粒程度)。
プランターで栽培する場合、野菜用の中型のプランターや丸型の10号鉢がおすすめです。
プランター栽培の場合肥料切れや水切れを起こしやすいので気を付けてください。
プランター栽培では支柱の立て方を考えないといけません。プランターの場合深さが限られており、しかも土も比較的締まりがないので通常の支柱を立てるのは困難です。
最近では、数本の支柱を連結させて、プランターでも簡単に自立させることが専用支柱が販売されているので利用すると良いでしょう。プランター栽培には欠かせない商品です。
ささげの支柱
畑で栽培する場合は、直立型支柱か合掌型支柱がおすすめです。
支柱を立ててきゅうりネットなどをかけると簡単です。支柱の具体的な立て方は過去の記事にまとめてありますのでそちらを参照してください。
直立型支柱の立て方
直立型支柱の立て方はこちらです。
支柱の立て方|トマトや絹さや、キュウリ、スナップエンドウなどに1番簡単な直立型支柱の立て方
合掌型支柱の立て方
合掌型支柱の立て方はこちらです。合掌型支柱のほうが同じスペースでたくさん栽培できるのでお勧めです。
合掌型支柱の立て方¦キュウリなど夏野菜全般に活躍する合掌型支柱はトマトの栽培にも使えるが1つ注意が必要
支柱の立て方についてもっと知りたい方はこちらの記事を見てください。
支柱の立て方|ナス、トマト、エンドウ、カボチャ他、これだけでOK!家庭菜園全ての野菜に対応した5つの技
ささげの追肥
1回目の追肥
1回目の追肥は花が着き始めたころに行います。化成肥料か鶏糞役一握り、1㎡あたり約50gから70g程度を毎回施肥していくと良いでしょう。1株に対しては20g~30g程度で、株もとに施肥してください。花が咲いてからの追肥です。
2回目以降の追肥
2回目以降の追肥は,だいたい1カ月に1度を目安に行います。
プランターの場合株間や株の周りにパラパラまいて軽く土になじませるイメージでOKです。
ささげの水やり
プランターで栽培する場合は特に水切れしやすいので注意してください。表面が乾いたらたっぷりと水やりして水切れをさせないのが栽培のポイントです。
畑での栽培の場合は通常水やりは必要ありませんが、植え付け間際の小さい苗の時や冬場の乾燥時期時期には適度に水やりしてください。
ささげの摘芯
摘芯は必要ありません。
ささげの収穫
開花時期になるとたくさんの花が次々と実になります。
さやが膨れた実から順次、はさみで収穫していきましょう。
ササゲのマメの収穫
マメを収穫する場合は、完熟させてから収穫します。ササゲのマメは小豆の代わりに使うことが出来ます。
ささげの主な害虫
アブラムシ
アブラムシは春から夏の終わりごろまでに飛来して繁殖する害虫で、ほとんどの野菜に被害を与える害虫の代表的存在です。小さな個体が群集している様子がものすごく気持ち悪いと感じる方が多いと思います。
アブラムシの駆除方法
アブラムシにもたくさんの種類がいて、たくさんの種類のアブラムシが寄生します。いずれも株のエキスを吸引し、ウイルス性の病気を媒介するので駆除が必要です。
テントウムシの成虫はアブラムシを食べる益虫ですが、テントウムシがいることはアブラムシもいるということになるので注意してください。
無農薬で栽培する場合はガムテープで除去したり、牛乳を散布して窒息死させたり、木炭や竹炭を作る際に発生する煙の成分を冷却して得られた水溶液である木竹酢を散布したり、黄色い粘着力のある札を作物にぶら下げたり、銀色のマルチや光テープで囲ったり対処の方法はたくさんあります。
ハダニ
ハダニはコナジラミやアブラムシと同様に葉の裏などに寄生して樹液を吸引する害虫です。梅雨明けから夏場に多く繁殖して被害を与えます。非常に小さく単体では見つけにくいのですが、数が増えてくると白くカスリ状に見えるので、この時点で被害に気付くことが多いので予防しておくことが大切です。
ハダニの除去方法
極端な乾燥状態を避けて適切な環境を維持しましょう。
コガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫は土の中で根を食害し最悪の場合全てを枯らしてしまいます。成虫は葉を食害し繁殖も旺盛なので厄介な害虫です。見つけたら捕殺しましょう。
コガネムシの幼虫の駆除方法
耕しているときや掘り返しているときに出てきたら捕殺しておきましょう。
ヨトウムシ
アブラナ科の野菜が好物のヨトウムシですが、アブラナ科だけでなく多くの野菜を食い荒らします。
蛾の幼虫ですが昼間は株もとや土中に潜み、夜になると地上に現れます。だいたいは茶系の芋虫で中型から大型です。3㎝くらいから6㎝くらいのところでしょうか。
ヨトウムシの駆除方法
昼間は土中にいることが多いので駆除するのが難しく、また姿が見えないので出没していることすら気づかないことすらあるくらいです。見つけ次第捕殺することがおすすめです。虫の姿がないのに葉が虫食まれている状態を見たら土中にヨトウムシが潜んでいることをまず疑ってください。
カメムシ
触れると悪臭を放つ曲者で、年に3度くらい繁殖します。大量に発生すると手に負えない害虫で、ピーマンやシシトウなどの唐辛子類、特に鷹の爪に群集で生息しています。冬場は葉の裏などで成虫のまま冬越しして春先から活動を開始します。樹液を吸引する害虫です。
カメムシの駆除と対策
見つけ次第捕殺、唐辛子類などに群生している場合は薬剤をかけるのも一つの手です。枝を軽くゆするとすぐに落ちてしまうのですが、いつの間にかまた戻ってくるのでやっぱり捕殺するか、薬剤に頼るのかと思います。捕殺する場合は粘着テープを指にまいて触れてやるとある程度は取れますが、やっぱり落ちてしまいます。
ヒメコガネムシとコガネムシ
ヒメコガネムシはコガネムシの中でも比較的小さく体長1.3cm~1.6cmくらいのきれいに輝く緑色か黒色の甲虫です。
まれにですが、姫コガネムシがやってきて葉を食害します。姫コガネムムシは頻繁に交尾して土中に卵を産み付けるのですが、この幼虫がまた曲者で根を食い荒らすのです。
コガネムシの除去方法
コガネムシは午前中には動きが悪く、午後からはなぜか動きがいいのです。ペットボトルなどにジョウゴを付けて受けておいて、葉を軽くゆすると面白いようにペットボトルの中に確保できます。逆に午後からはスーッと飛んで行ってしまうので、午前中に捕殺するのが一番です。
アザミウマ
アザミウマはアブラムシと同様に樹液を吸引する害虫です。夏場の乾燥時期に多く発生し植物に害を与える吸汁性害虫です。
その他の害虫
カタツムリやナメクジなども柔らかい葉を食害します。ネキリ虫やダンゴムシも根や茎を食害し、ガの幼虫と同じような姿をしたハバチの幼虫も葉を食害します。
かわいいオンブバッタやコウロギ、緑色のコウロギらもケラと同様に害虫です。
ささげの主な病気
ここでは代表的な病気を記載することにします。たくさんありますが、いずれの病気もかかってしまってからの対応よりも常に予防しておくことが大切です。
予防としては、植え付け前に石灰や有機たい肥を多用して、健全なアルカリ性の土を作ることと、株の風通しを良くして害虫の除去をしっかりすることです。
①有機たい肥や石灰でしっかりした土作り
②剪定で風通しの良い環境を作る
③害虫を駆除してウイルスの媒介を予防する
④オーソサイドやダコニールなどの消毒剤やアーリーセーフやカリグリーンのような自然由来の有効成分を持つ薬剤を使用して予防する。(各野菜の適応を見て使用しましょう)
うどん粉病
うどん粉病は野菜だけでなく植物全般に発生するウイルス性の病気で、葉に白い斑点が出て放置しておくと葉が真っ白にうどん粉をまとったようになっていき、いずれ枯死してしまう怖い病気です。ひどいときは隣接する他の植物にも感染して被害を広げる場合があるので早めの対策が必要です。
うどん粉病の対策
うどん粉病が毎年発生するような場合は発生前からの予防が大切です。極端な乾燥を避けて適切な環境を整えて管理してください。
菌核病
20℃以下の比較的低温時に地際の茎に発生する病気です。突然m茎が褐色から黒色に変色していき、菌糸が数出てきて、最終的には腐敗して枯死してしまいます。菌核の病原体は長く土の中に残るので厄介な病気です。
菌核病の対策
発生してしまったら株ごと抜き取ります。栽培していた土の中には病原体が残るので、連作はしないでください。天地返しや熱湯消毒が有効です。
さび病
主に葉に発生することが多く、始めは白い斑点が出来て、やがて盛り上がってきて褐色に変色してきます。最終的にはもりあっがt北褐色部分の表面の皮が破れて中から黄色や赤褐色の粉末が飛び散るようなる病気です。
さび病の対策
さび病の病原体は同じ種類の植物や全く異なる種類の植物にもそれぞれ寄生しながら冬越しして何度も再発生してきます。窒素過多にならにようにバランスよく施肥することを心がけ風通しや水はけの良い環境を作りましょう。薬剤を散布する場合はカリグリーンが有効です。
ささげのコンパニオンプランツ
ささげと相性のいいコンパニオンプランツ
ほうれん草
ほうれん草はマメ科植物の成長促進に有効です。
ニンジン
互いに成長がよくなる
トウモロコシ
害虫が減りお互いに良く育つ
ハーブ類と花類
フレンチタラゴン(虫よけ)
ポリジ(ミツバチなどを寄せ付けて受粉をを助ける、害虫を遠ざける)
ペチュニア(野菜を元気にする)
マリーゴールド(センチュウを退治する)
ささげと相性の悪い植物
ニラやネギなどのネギ類の植物は混植に適していません。また、ニンニクとのも相性が悪く、混植すると互いの生育を妨げます。
ささげの前作に適している植物
ダイコンなどのアブラナ科野菜がエンドウの前作に適しています。
ささげの後作に植えると良い野菜
これと言って特にありませんが、当然マメ科の連作は避けた方がいいです。そのほかの野菜の後作では別にこれと言って良い効果が得られるわけではありません。